中央集権の行政システムや組織では、組織全体から収集した情報を基に、一極の意思決定組織が全体を統括・管理する。
ピラミッド型の階層が形成されることが多く、上層が財源や決定権を持ち、下層になるほど機能が細分化されたり、財源や決定権が小さく制限され、上下方向の統制がより強化される傾向を持つ。
また、上意下達と情報収集の機関として、中間組織が形成される。特に行政における中央集権では、出先機関が多く設置される。
このような形態を採る行政制度や組織の特徴は、概ね次の通りである。
長所
上層部においては、全体的な情報を吸い上げることが容易であり、全体において何が起きているかを把握することが容易である。また、多くの情報を基に、全体一律に命令を下すことも可能である。
命令の上意下達や、権限の優先順位も決まっているため、決定と実行の間の確実性が高まり、責任の所在も明確になる。
大量・迅速を要求される物事では、実行が終わるまでの期間が短く済む。
全般に、少数の意思決定者には、行動の自由度が高まる。
統一的な判断により、規模の経済が発揮される。
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短所
情報を吸い上げる能力が低下したり、上層の判断能力が低下した場合には機能不全に陥る。下部組織(支社、営業所など)は決定権を持たないため、中央組織(本社)が健全に機能することが、運営上の必要条件である。
「大から小へ」の序列になるので、特に政治・行政においては、上層(国家)の立場や決定権が優先され、下層(都市や村落)の立場や決定権が軽視され易い。そのため、業務が画一的になり易く、個別案件への柔軟な対応が難しくなりがちである。
現場に委ねられる責任と権限が限定されるため、横方向(組織間など)の連繋が希薄になり、組織横断的な業務では情報伝達の阻碍、業務の遅延、非効率化が起こり易い。これは、俗に「縦割り行政の弊害」などと呼ばれる。
地方と中央との間で、情報や経済の格差が顕著に表れることが多い。
歴史
歴史は、一般的に中央集権と地方分権の循環である。傾向としては:
多数の勢力が分立して、その中で大きな力を持つ者が現れる。
他の勢力を支配下に収める。
中央集権国家が形成される。
中央によって形成された下部組織の中に、有力な者が現れる。
中央の権限が縮小し、多数の勢力へ分散される。
という循環が多く見られる。
近代以前に成立した中央集権国家では、最高権力者を国王などとする君主制国家が構成されている場合が多い。一方、現代に成立した国家では、最高権力者を大統領などとする共和制国家が形成される場合が多い。国王(王家)の存在は、その国が中央集権体制である、或いはかつて中央集権体制であったことの表れであるが、共和制国家については必ずしも分権国家であるとは限らない。